2013年8月22日木曜日

シネマート六本木演劇ナイトvol.0 − 劇団ペニノ 『ダークマスター』

ひと頃よりは暑くないはずなんだけど。なあんかふらふらするなあと思ったら、やっぱり暑いんですね。

何気なく劇団ペニノのHP覗いたら、シネマート六本木っていう映画館で過去の芝居の上演の真っ最中であることを発見。
今日、明日は、劇団ペニノ。

あれは春だっけ? 『大きなトランクの中の箱』が上演されたのは。鮮烈でした、あの芝居は。
その録画映像が上映されるということで。

そのまえに2006年上演の『ダークマスター』ってのも上演するということ。『大きなトランクの中の箱』は上演を観たからね、『ダークマスター』を観ることにしました。ほんとは両方観たかったけど、『ダークマスター』を観終わった時点で、けっこうくたびれて。『大きなトランクの中の箱』はあきらめました。

映像は家庭用ビデオカメラで撮ったようなやつ。予想はしてたんで、がっかりすことはありませんでした。カメラは二台使っていて、一台は固定でした。
舞台が暗くなると、自動ピントが合わなくなってぼける。それも仕方ありませんな。
観客は20人くらいだったかしら。寂しかったけど、考えてみれば、そうだよね、もし満員になったらそっちのほうが怖いよね。

不思議な物語だったよ。

ある潰れかけの洋食屋。やくざがやってきて、婆さん相手に「もう店はたたんじまいな」みたいなことを言う。
やくざが帰ってしまうと、婆さんはひとりぽっち。と思いきや、奥のほうからこびとみたいなおっさんが登場。たまたま店に入ってしまったサラリーマンを雇って料理を任せることに。

こびとのおっさんは2階で料理の作り方を指示。キッチンではそのサラリーマンが指示通りに料理を作っていく。
それならこびとのおっさんが自分で作れよ、とも思うが、体格が小さいのでいろいろと不都合があるらしい。高いところのものが取れないとか。

サラリーマン、最初は不手際が多かったけど、そのうち慣れてくる。3ヶ月後には600万円を売り上げる人気の洋食屋になる。

やくざがやってきて、なんていうの?あれ、上納金?そういうのを収める。
ふてぶてしい態度のサラリーマン。そっぽ向いて煙草を吸ったりしてる。

で、屋台崩し。2階にも同じキッチンがあり、それが崩れる。
サラリーマンは最初に来た時のスーツ姿に戻り、鞄を持って店から出て行く。堂々とした感じ。

不思議なのは、食べ終えた客が帰るとき。トイレに入って行くんだよな。で、出てこない。婆さんがトイレが詰まったときのパコパコを持って後を追う。なんだろう、あれ。

そして、最後には、さっきまで偉ぶってたやくざの兄さんが、パンツ一丁の情けない格好でトイレから現れて、こびとのおっさんに「次はお前がここで料理つくれ」とか言われて、素直に頷く。
ヤクザの兄さんはなぜかおどおどしている。

謎だ。わからない部分がたくさん。
でも面白かった。演劇的に。ぜひとも舞台で観たかったなあ。

物のある感じというか、物体の存在感というか、舞台の装置が凝ってるよなあ。舞台美術っていうとちょっと違う。
なんかこう、うまく言えないけど、小道具大道具含めて存在感がすごいなあと。他では見ないな。
それだからこそ、そのなかに登場する人物もリアルに感じるんだよな。

途中から声で指示するだけのこびとのおっさんだけど、その声の感じがすばらしい。自然で。


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