2012年10月5日金曜日

鷹狩り

小説書いてみた。

小説っていうほどのものじゃないかもしれないけど。
短篇小説。
セリフしかないから、脚本みたいな感じになってしまってるけど。
でも本人(私)としては、小説のつもりで書きましたとさ。
読んで、感想など聞かせていただければと、、、
とはいえあんまりストレートな罵倒はしないでね、夜眠れなくなっちゃうから。

---------- ここから ----------

鷹狩り

おいおい、ぶつかってくるなよ。
ぶつかってないよ。ぶつかってきたのは、お前のほうだろう?
いや、なに言ってんだよ。お前がぶつかってきたんだろう?
いや、お前だろう? 変なやつだな。お前がぶつかってきたんだろう?
違うよ。おれはずっとここに立ってたんだから。見ろよ。この線の、ここの位置に、つま先をしっかり合わせて立ってたんだから。ほら一歩も動いてないだろう。おれはこんなふうに線に沿ってきっちり立ってるのがすきなんだよ。だからおれはここを一歩も動いてないの。それなのにお前がこっちのほうに倒れてくるから、ぶつかったんじゃないかよ。
いやいやいや。待てよ。おれだってここから一歩も動いてないんだぜ。見てくれよ。おれのほうは、ほら、この白線のここの位置にぴったりかかとをそろえて立ってるんだから。ほらこのとおり。一ミリもずれてないぞ。な? な? 見たろう? おれはきっちりした性格で、こんなふうに線にそろって立たないと気持ちが悪くて仕方ないんだよ。気持ち悪くて死にそうになるんだよ。だから言える。おれはまったく動いていない。ぶつかってきたのはお前のほうに決まってるんだよ。そうに違いないんだよ。
お前ね。頭悪いな。何度おんなじこと言わせるんだよ。おれはここから一歩も動いてないって言ってるだろう。お前日本語わかんないの? もしもし? あなたニホンゴわかりますか? わかったら返事してください!
ふざけんなよ。このやろう。その手をどけろ!
痛え!
おれはここから一歩も動いてないっつってんだろう。それがわかんないのか。お前こそ日本語がわかんねえんじゃねえのか。このポンコツやろう。
だれがポンコツだよ。だれがポンコツだってんだよ。
お前だよ。お前。お前以外に誰がいるってんだよ。お前以外にいねえじゃねえかよ。
おいおい、誰に向かって言ってんだよ。ポンコツのこんこんちき野郎にポンコツなんて言われる筋合いはねえよ。
なんだとこの野郎。いい加減おれは怒るよ。
怒るのはおれのほうだよ。大概にしとけよ。ほんとにほんとに怒っちゃうぞ。
おお、怒ってくれよ。どんなふうに怒るのか楽しみだ。さあ、怒ってくれ。みなさあん、いまからこの男が怒るそうですよお。どんなふうに怒るのか楽しみですねえ。用意はいいですかあ。はい! スタート!
おい、お前ら。いつまでそんなくだらねえ喧嘩してるんだよ。そんなふうに立ってたら、ぶつかんのは当たり前だろう? さあ、行くぞ、鷹狩りに。
あ、ちょっと待ってくださいよお。
うえーん、置いてかないでえ。

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