せんがわシアター121の「121」は座席数ということ。11席がAからKまであるのかな。でも、Kの列は、半分音響卓に占領されているから、正確には121席はないな。ま、そんなことどうでも、、、。
『戦場のピクニック』はさ、以前、d-倉庫って場所で、『戦場のピクニック』フェスティバルみたいなのがあったときに、いくつかの劇団の上演を観たことある。
でもそのときはどれも超変化球。台本の原型を留めていない構成のものばっかりで。戯曲は読んでないし。だから基本的な物語も、推測でしかわからなかった。
でも今日はちゃんとわかったよ。きっと今日の上演は戯曲をほぼその通りにやってるんだと思うな。直球勝負で、気持ちのいい上演だった。
ザポは戦場の兵士。いまも遠くで銃撃戦が行われている。彼は縮こまって震えている。怖さを紛らわすために、編み物なんかをしている。
そこにお父さんとお母さんがやってくる。テパン氏とテパン夫人。息子の戦場にピクニックにやってきた。敷物のうえにお弁当を広げる。蓄音機も持参。レコードを掛けたり。
そこに敵兵のゼポがやってくる。でもザポに捕まって捕虜に。手足を縛られてしまう。だが、いっしょにご馳走を食べるのに不便なのだ。すぐに解かれる。
食べながらお話。そのうち仲良くなる。
衛生兵がふたりやって来る。彼らは怪我人や死んだ者がいないか探しているのである。
「死体がまったく見つからないんだ。他の衛生兵たちは、たくさん見つけているのに」
「わかった。見つけたら、君たちにすぐに連絡するよ」
衛生兵たちは去る。
そのあとちょっとしたいざこざはあるけれども、すぐに元通りに仲良くなるふたりの兵士。音楽に合わせて踊ったり。
しかしそのうち銃撃戦が始まって。
敵兵のゼポが撃たれ、ザポも撃たれ、お父さんもお母さんも撃たれてしまった。
衛生兵たちがやってきて、死体を見つけて(喜ぶ?)。
客席側に傾いた舞台のつくりで、地面が見やすくなっている。そこに照明で模様がつけられている。細かい演出だけれども、いい感じ。
4人が撃たれたとき。死んで地面に転がるのではなく、膝立ちのまま固まる。これも表情が見やすいし、死んで固まったのだということがすぐにわかる。
地面に倒れた場合、本当に死んだかどうかは、判断できないからね。ひょっとしたら生きているかもしれない。でも膝立ちで死んだように固まっていると、ああ、死んだんだなと逆にすぐにわかる。
その辺のさりげない演劇的な工夫もよかった。
d-倉庫のフェスティバルで観た上演よりも、数段よかった。物語もちゃんと理解できたしね。
まあ、d-倉庫のやつは、あれはあれでよかったとも言えるんだけどさ。いろいろだよ。どれが正しいとか言えない。
でも今日のはやっぱりよかった。
戯曲もいいよね。無駄がなくて。衛生兵たちってなんのために出てくるのかなあと思ってたんだよ。今日のを観てわかった。4人の死体を発見するためだったんだなあ。
「死体を見つけたら、すぐに連絡するよ」
自分たちが死体になっちゃうとはね。
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