2013年5月7日火曜日

die pratze『フェルナンド・アラバール「戦場のピクニック」フェスティバル』

『戦場のピクニック』って、読んだことないけど、ときどき話題に出るよね。
3つの劇団の上演があったけど、本当はどういう感じなのかよくわかんなかった。全部、変化球で。もっと直球勝負の上演が観たかったかな、個人的には。

戦場で兵士として戦う息子のところに、両親がピクニックに来ちゃうんだよね。
それからすったもんだがあって、最後は、そんなに大変だったら戦争止めちゃえばいいのに、みたいな感じになるのかな。
そういう理解でいいの? いいの? いいんですかね?

最初は、evkk っていう団体の上演だった。舞台に紙が規則正しく敷き詰められている。
男女ひとりずつが登場して、台詞を言いながら、紙に絵を描いたりしている。登場するのはこの二人だけ。戯曲では4人くらいが登場する。その台詞を二人でいうので、誰の台詞かわからなかったり。『戦場のピクニック』は読んだことないしね。
そのうち紙をいっぱい破いて、紙吹雪にみたいに放り投げていたりした。紙に絵を描きながらというのは、アイディアとしては面白いと思ったけど、それが何か意味を持ってきたり、イメージが広がったりということはなかった。それが残念。
やってる本人たちには、意味とかイメージはもちろんあるんだろうけど、それがぼくにはわからなかったというか。へぼくてゴメン。

初期型っていう劇団のは、スタイル的にはいちばん好みだったけど。やっぱ、戯曲読まなきゃだめだな。
全員があらかじめ舞台に登場していて、必要に応じてその場で着替えたりしてたよ。舞台上で裸になって、おむつに着替えたり。ちゃんと見えないように配慮はしてたけど。あれ、おむつに着替える必要あったのかな。
それからお姉さんが綺麗なドレスに着替えて踊ったり。クライマックスでも、踊ったり歌ったり、紙皿とか投げたり、それから何だろうあれ、マシュマロみたいなものとかも投げてたかな。食べ物は粗末にしてはいかんよと、ちらっと思った。
最後は暗転のなか「そうか、よかった」みたいな台詞で終わる。そういうお話なのかあと、そのとき思った。evkk のでは、なんにもわかんなかったからね。

最後のは、劇団ING進行形っていうところの。この団体の招待券で行ったんだけど、受付に行ったら招待券扱いになってなかった。コンニャローと思ったなり。でも大丈夫。

「招待されました」って伝えたら、すんなり通してくれた。


芝居というよりも、パフォーマンスに近い。全体の動きが決められていて、そのなかで物語が進行していく。ぼく自身は、役者がもっと自由に動くようなスタイルが好き。そういう意味で、息苦しさを感じないこともないような。動き方やタイミングなどの工夫がされていたとは思うんだけど。
もっと自然にやればいいのになあと。やってて面白いのかなあとも。正直にいうとね。

『戦場のピクニック』は、自然にやれば充分不条理で面白い芝居だと思うんだけど、フェスティバル~みたいな感じになると、奇抜なことをやりたがるってことなのかな。直球勝負だと、実力がはっきりしちゃうから、ケムにまいちゃえ、みたいな?こともあるかもね。とにかく目立とうとかさ。いや、本当のところは知らないけど。

できれば他の団体のも観たかったな。

来年は寺山修司の『青森県のせむし男』がテーマだということ。応募〆切は6月。ぼくも応募しちゃおうかな、独り芝居で。
本棚に『寺山修司戯曲集1初期一幕物』ってのがあって、そのなかに収録されていた。寝る前にちらっと読んだけど、浪曲なんかもあって、結構上演は難しいなあと思った。
改変は、どの程度まで許されるんだろう。
「見世物の復権」みたいなものにも拘らないとならないのかなあ。

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